己亥のむにゃむにゃ

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福島第一原発処理水放出に見る政府広報力のなさ

・処理水の海洋放出始まる

 8月24日から、
 福島第一原発の処理水の海洋放出が行われている。
 案の定、
 反対派(主に左翼思想の強い方々)活動家たちが
 批判の主張を声高に繰り広げ、
 それに対して
 賛成派(主に保守派の方々)も、負けじと対抗している。


 この問題のポイントのひとつに、政府の広報力不足があると思う。


・放出される処理水って

 放出される処理水は、反対派の主張する「汚染水」ではない。
 いろいろな方法で処理された「処理水」だ。
 しかもその処理水は、
 ほぼ、人体に影響を与えるほどの放射性物質を含んでおらず、
 安全性が科学的に証明されている。
 国連の機関であるIAEAによる調査でも問題ないとされた。


・初回の測定検査でも検出されず

 25日に行われた
 放出後初の水産物(ヒラメとほうぼう)のトリチウム測定検査
 でも検出されなかった。


  https://news.yahoo.co.jp/articles/2f68efc910198b8ed789753c8d7ac4fc6f6b8a71


・国や政府に広報力はあるか

 ここで、考えてみたいのが、国?政府?の広報力だ。


  ・放出するのは汚染水ではなく処理水であること
  ・科学的に問題ないこと
  ・周辺国に影響がないこと


 について的確に広報できているようには思えない。


 反対派の主張や意見、反対国の会見など、
 表に出てくるのはマイナス情報ばかり。
 記者会見でも、きちんとデータを開示しながら
  「なぜ問題がないのかについての説明」がなく、
  「万一問題が起こった時の対応を十分に行う」ばかり
 言っているように見える。


 もちろん、
 報道するマスコミの取り上げ方に問題があるとしても、
 実際に目に見える資料を提示しながら
 しかも
 適切な頻度で説明していれば
 もっと
 国民に正しい情報が伝わるのではないだろうか。


・説明のポイントのズレ

 一方、
 具体的な説明のポイントも外しているように見える。


 特に、外国からの反対に対してただ受け止めるだけではなく、


 現在、
 同様に処理水を海に放出している他の国に比べて、
 今回放出される処理水に含まれるトリチウムがどれほど少ないか、
 あるいは、
 そもそも放出される処理水の量が他国の放出量に比べてどれくらい少ないか
 について何も説明しているようには見えない。


 また、
 放出された処理水がどのように太平洋に拡散されていくかについても、
 なにも説明しているようには見えない。


・想定される処理水の流れは

 素人ながらに調べてみると、
 福島沖に放流された処理水は、はじめ千島海流(親潮)にぶつかり少し南下し、
 その後日本海流(黒潮)にぶつかり、その流れに乗って太平洋の中心部に流れていく。



 間違っても、
 一番騒いでいる隣国の方には行かないことがわかる。
 太平洋を一周してきたとしても、
 その前にまた黒潮に乗ってしまうのでほぼ到達しない。
 万一、支流に乗って到達したとしても
 一周回ってきてからなのだから一番安心安全な海水なはずだ。
 それでも、危険だということは、
 むしろ、
 自分たちが放流している処理水が一番悪いということを、
 自ら認めているようなものだ。


 つまり、
 彼らは自分たちの責任を日本に転嫁し、
 いたずらに危機を煽って風評被害を巻き散らかしている、
 ということになる。


 ということは、
 ただ、隣国の主張を繰り返し報道している日本のマスコミも
 風評被害を拡大再生産しているだけなのだ。


・必要な広報発信力

 このような、
 風評被害を最小限に食い止めるためにも、
 積極的で能動的な広報発信が必要なのだが、、、
 国や政府には広報のスぺシャリストや専任の担当者はいないのだろうか、
 と疑ってしまう。


 現実的には、
 隣国が放出する処理水のトリチウム含有量の方が圧倒的に多いのだから、
 逆に、
 「隣国産の海産物は危険である」
 という情報も一緒に情報発信すればもっと効果的で、
 福島や東北の海産物に対する風評被害を払拭することができる
 と考えるのだが、どうだろう。


 是非、広報発信力の強化を考えていただきたいものだ。


 おわり。