己亥のむにゃむにゃ

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不祥事にみる広報部門の大切さ

ビッグモーター不正保険請求事件と日大アメフト部大麻事件

 最近、不祥事のニュースが続いている。
 ひとつは、ビッグモーターの不正保険請求事件。
 もうひとつは、日本大学アメフト部の大麻事件だ。


 事件の内容は置いておくとして、
 気になっていることがある。


広報部門と危機管理

 それは、どちらも広報部門が機能していないということだ。
 広報という組織は、通常時は企業や組織の動きを社会に知らせ、
 そのことによって企業や組織の社会的な好感度や受容度を
 上げることが主な業務になるが、
 不祥事などの緊急事態にその存在が特に重要になってくる。


 会社や組織に不都合なことや事件、ミスが起こった場合、
 公になる前に、原因を調査し、解決策と合わせて
 記者会見などを行って謝罪できれば
 その不祥事自体の問題よりも、
 不祥事という緊急事態にあっても迅速に対応できる企業である
 という認識を世間に与えられることになり、
 不祥事のマイナス面をカバーするばかりか、
 逆に、企業としての信頼感を増すこともできるのだ。


 実際には不祥事が先に公になることの方が多いが、
 そのくらいの体制を作っておくことが企業に求められる
 危機管理なのだ。


30年以上も経っているのに

 しかしながら、今回のこの2つの事案で、
 日大は、2018年に同じアメフト部で反則タックル問題という
 前例がありながら、世間が納得できるような説明ができずに
 問題を更に広めてしまう結果を産み、
 ビッグモーターに至っては、広報部門もなかったため
 すべての面で後手後手にまわり、謝罪会見を行うまでに
 かなりの時間がかかったばかりか、
 火に油を注ぐようなことになって問題を更に大きくし、
 挙句の果てに急ごしらえで広報部門を設置するという事態になった。


 企業が社会的責任を求められ、危機管理の重要性が言われるようになり、
 あちらこちらで危機管理セミナーが行われ、
 様々な企業で危機管理マニュアルを作るようになってから
 既に30年以上も経っている。


 なのにまだこんな企業や団体があるとは、
 かつて23年も企業広報に携わってきたものとしては
 ため息しか出てこない。